認知症とはどのような症状なの?判断できる簡単な方法について

 

 

ーー認知症とは?

 

認知症というのは一旦正常に発達した知的な機能があるときから衰えていって進行性が悪くなってしまう、その結果日常生活が自力では営めなくなるといった状態を言います。例えばアルツハイマー病という病気があるし、脳血管性の認知症という病気がある。その病気に特有の脳の中の変化が出るんですよ。とある国では認知症が462万人、それからその予備軍と言われる人が400万人、65歳以上の高齢者の28%にあたります。足して862万人という数字があります。
ただアルツハイマーと認知症は一緒ですかという質問があるように、アルツハイマー病が原因としては一番多いんですね。全体の3分の2ぐらいがアルツハイマー病。それに続くのが脳血管性認知症ですね。脳卒中、脳梗塞等が起因して認知症になるような病気。それから最近ではレビー小体型認知症というのが結構多いんだということが注目されていますし、あとピック病などと昔は言った前頭側頭型認知症という風な病気についても重要だという事が知られています。

 

ーー認知症になるとどんな症状が出る?

 

要領よくまとめると、いわゆる知能に関する記憶力とか注意力とかね、推理力とか、知能に関する能力、この障害。それから周囲にとって結果として迷惑になっちゃうような行動。例えば暴言、暴力とか徘徊、便こねみたいなものが代表的ですが、おそらくご本人は迷惑をかけようとしてやっている訳じゃないんだけど、正常なときと違ってやることなすこと全てが失敗しちゃうから結果として迷惑行為になると、そういうものをBPSDと言います。もう一つは例えば服を着るとかお風呂に入るとかそうしたことを僕らは毎日やっている訳だけども、服の脱ぎ方が分からない、お風呂に入ってもどうやって水道栓をひねったらいいかわからない。あるいはシャンプーの使い方がわからないとなりますと、一つ一つの、ごくごくそれまでは当たり前だった生活動作に支障が出てくる。主に三つにまとめられると思います。

 

特に認知症の中でも数の多いアルツハイマー病について言いますと、記憶の中でも色んな記憶のタイプがあるんだけれども、エピソード記憶という記憶が損なわれるんですね。例えば先週の日曜日、お孫さんの結婚披露宴が都内であって、なんとか会館でフランス料理を食べたとかその一つのエピソードがごっそり、あるいは部分的にすっかり抜けてしまうような、そういう忘れ方がアルツハイマーの特徴的な忘れ方です。もっと言いますと、昔の事はよく覚えているんだけれど、新しく、さっき食べたご飯やさっき話したこと、そういうさっきの経験が頭にインプットされないから同じ事をなんべんも言ったり、まだ朝飯を食わしてもらっていないなんて発言が出たりします。

 

もともとこの言葉(経度認知障害(MCI))の定義としては、記憶だけは悪いが、他の認知機能障害は無いと。生活に障害があるのが認知症だから、そのようなレベルには達していないけれど記憶だけが悪くなっちゃっている、そのような状態が本来の意味での経度認知障害です。これは軽度認知障害の人が洗濯物を干しているというのを表した1コマ漫画です。例えばシャツをハンガーにかけておられますけれど、かたっぽがハンガーから外れてしまっています。また、この奥さんのエプロンの背中を見ますと、下のボタンはかかっているけれど上のボタンは外れています。あるいはズボンが外に干してありますが、かたっぽだけが、しかもしわくちゃの状態で干してある。さらには干してある靴下のセットが違いますよね。ペアになっていません。こうした記憶もそうなんだけど、ちょっとした不注意といいますか、ケアレスミスが目立ってくるのは軽度認知障害の一つの特徴だと思います。

 

アルツハイマー病の診断というのはもちろん記憶とか生活の障害を見ていくわけですが、私が割と好んでやる一つの検査法があります。こうやってパンと(手を)叩いてもらいます。こんなのは誰でも出来ます。次にこうします。要するに親指と小指をくっつけているけども、他の3本は開いてチューリップというような手の形にしてもらうわけです。ある程度認知症が進むとこれが出来ません。特にアルツハイマーの人は、軽度はまだ出来るけれど中度になると例えばこんなことになったり(他の3本をくっつけてしまう)。違う違う、こうだよと言ってもこれが出来なくなります。加えてこれが一番大事ですけど回転という要素が難しいので、回転とはこうなっている手を単にこうまわしてもらうだけです。親指と親指、小指と小指が向かい合っているものを親指と小指を向かいあわせるという風に手を一旦離してまわすんですけどこれが出来なくなります。もう一つ、まずこうしてもらいます。向こう向いて手を開く。これをこうまわしながら、こう向いてる手のひらをゆっくり回しながらこうやって合わせてもらいます。親指と親指をクロスさせて。これもある意味で手の回転ですので、この回転もアルツハイマーの人って特徴的に出来ません。かなり軽度な人であってもたったこれだけの事と思われるでしょうが出来ない事がしばしばあるので診断に使っていきます。